自転車の「青切符制度」の導入で何が変わった?
自転車でも交通ルール、守っていますか?
2026年(令和8年)4月1日からスタートした、自転車の交通反則通告制度(いわゆる青切符制度)。
「自分は事故を起こしたり、取り締まられたことがないから大丈夫!」と思っていませんか?
実はその自転車運転、事故を引き起こす乗り方をしているかもしれません。
①なぜこの制度が開始されたの?
近年、街中で自転車のマナー違反を見かけることが増えました。
スマートフォンの画面を見ながらの運転、信号無視、
歩行者の間を猛スピードですり抜けていく自転車...。
ヒヤッとした経験がある方も多いのではないでしょうか。
(実は筆者も、過去に交差点で信号無視の車両に轢かれそうになったことがあります。
2車線道路の死角から突然走ってきたので、全く気づけず、もう一歩早かったら大事故でした。
青信号になっても、安全確認をしてから渡るべきですね!
こうした「まさか」の危険は、自分が自転車に乗っているときにも、
歩行者や車に対していつでも加害者・被害者になりえるものだと痛感させられました...)

↑その時のイメージ
実は警視庁のデータによると、令和6年(2024年)に発生した自転車乗車中の死亡・重傷事故のうち、
なんと約4分の3に自転車側にも法令違反があったという驚くべき事実が明らかになっています。(※)

※、画像出典:自転車を安全・安心に利用するためにー自転車への交通反則通告制度(青切符)の導入ー【自転車ルールブック】(令和7年9月警察庁交通局発行)8,9p
これまでは、自転車の悪質な違反を取り締まるには、
刑事罰の対象となる重い「赤切符」しかありませんでした。
しかし、赤切符は手続きが複雑なため、結果として多くが「不起訴」になってしまい、
実質的な責任追及が不十分だという問題が指摘されていたのです。
そこで、「自転車は軽車両(車のなかま)である」という意識を徹底させ、
違反者に対して実効性のある責任追及と迅速な処理を可能にすることで、交通ルールの遵守を厳格に図る。
これが、今回の青切符制度が導入された理由です。
②青切符制度で、何が変わったの?
では、青切符が導入されたことで、具体的に何が変わったのでしょうか?
ポイントは大きく2つあります。
① 対象は「16歳以上」、つまり全従業員が当事者に
この制度は16歳以上のすべての運転者が対象です。
会社の営業スタッフはもちろん、通勤で自転車を使っている事務職の方、
パート・アルバイトさんまで、社内のほぼ全員が「当事者」になります。
② 違反処理が「簡易でスピーディー」に
今までの刑事手続き(赤切符)に比べ、青切符の導入によって、裁判を受ける必要がなくなり、
反則金を支払うことで迅速に処理できるようになりました。
違反者と警察の双方にとって、時間的にも事務的にも、負担が減るしくみになりました。
しかし、負担が軽くなったからといって油断は禁物。
「急いで取引先に向かわなきゃ」「遅刻しそう!」という焦りから、
従業員が青切符を切られるような事態になれば、
それは「会社のイメージダウン」や「安全管理の甘さ」として
世間に露呈してしまうリスクを孕んでいます。

③具体的にどういう行動が「青切符」の対象になるの?
では、具体的にどんな運転が『青切符』の対象になるのでしょうか。
代表的な違反をご紹介します。
・信号無視(反則金:6,000円)
信号は交通を円滑にするためにあります。必ず守りましょう!
・一時不停止(「止まれ」の標識無視)(反則金:5,000円)
見通しの悪い交差点や、細い路地から出るとき、徐行のまま進んでしまうケースが非常に多いです。
自動車の運転時でも見落としがちなポイントですが、
自転車であっても「止まれ」の標識では一時停止しなければなりません。
・傘差し運転・イヤホンでのリスニング(反則金:5,000円)
傘を差しての運転は、片手運転になったり、視界が遮断されたり、
風にあおられて転倒する恐れがあります。
また、イヤホンやヘッドホンで周囲の音が聞こえない状態での運転も、
クラクションやパトカーや救急車のサイレンに気づけず、非常に危険です。
・無灯火運転(反則金:5,000円)
夜間にライトをつけずに走る行為です。
周囲から自転車が見えなくなり、事故を誘発する恐れがあります。
歩行者側からすると、無灯火の自転車は直前まで本当に見えづらく、
かつ「自分が思っている以上のスピード」で迫ってくるため非常に恐怖を感じるものです。

④【要注意】反則金では済まない!「刑事罰(赤切符)」になるケース
・携帯電話の使用
法律では、自転車を運転するときは、携帯電話・スマートフォン等を使って通話したり、
表示された画像を注視することが禁止されています(法第71条第5号の5)。
画面を見ながらの運転はもちろん、手に持って通話するだけでも完全にアウト。
これらは警察に見つかると「青切符」の対象になります。
しかし、驚くべきはその反則金の額です。
一時不停止などが5,000円〜6,000円程度とされているのに対し、
携帯電話の保持は「12,000円」と、自転車の青切符の中で最も高額に設定されています。
(携帯電話使用等(保持))
なお、携帯電話の操作のせいで実際に事故を起こしたり、歩行者をヒヤッとさせたりした場合は、
青切符(反則金)では済まされず、刑事罰(赤切符)の対象となります。
(携帯電話使用等(交通の危険))
・酒酔い運転・酒気帯び運転
体内のアルコール濃度にかかわらず、お酒を飲んでの自動車の運転はもちろん、
自転車の運転も大変危険な行為です。絶対にやめましょう。

⑤交通違反は事故のもと!ルールを守って安全運転!
こういった交通ルールは、決して私たちの行動を縛るためにあるものではありません。
道路を使うすべての人が、快適に、そして安全に歩行・走行できるようにするためにあります。
自転車は法律上、軽車両であり、あくまでも「車のなかま」です。
一瞬の焦りや「これくらい大丈夫」という油断から生まれる違反行為は、
重大な事故のもとになります。
一人ひとりが「事故にあわない、あわせない」という強い意識を持ち、
お互いを思いやった安全運転を心がけていきましょう!
参考資料・出典一覧
警視庁Webサイト:自転車交通安全-自転車の新しい制度(https://www.npa.go.jp/bureau/traffic/bicycle/portal/system.html#02)
(2026年5月29日閲覧)
警視庁Webサイト:自転車の交通反則通告制度(青切符)の導入
(https://www.keishicho.metro.tokyo.lg.jp/kotsu/jikoboshi/bicycle/cycle_kaisei.html)
(2026年5月29日閲覧)
警視庁交通局:自転車を安全・安心に利用するためにー自転車への交通反則通告制度(青切符)の導入ー
【自転車ルールブック】(令和7年9月警察庁交通局発行)
https://www.npa.go.jp/bureau/traffic/bicycle/portal/pdf/guide_traffic-rules.pdf
(2026年5月29日閲覧)
警視庁公認交通安全情報サイト:TOKYO SAFETY ACTION
https://www.safetyaction.tokyo/bicycle/
(2026年5月29日閲覧)